⑳越谷甲冑
越谷甲冑は、江戸時代に男子の健やかな成長を願う、端午の節句の飾り物として製造され始めたと伝えられます。金工、漆工、皮革工芸、組み紐の技法などあらゆる技法を集大成したのが、甲冑の特徴といわれています。 時代とともに武器の変遷や戦闘形式の変化により、常に改良が加えられながらもその姿には一定の特徴がありました。 ところが、明治維新による武士階級の消滅や軍備の近代化にともない、徐々に実用ではなくなりました。 現代では古美術品、工芸品的、歴史資料的として製作されています。日本の甲冑は、世界の防具と比べても彩りが豊かで美しいのが特徴です。それは武士が常に権力の中枢にあったことや、特に戦乱のない江戸時代において一部の上級武士が象徴的に珍重したためであり、その時代の鍛鉄・皮革・漆工芸・金工・組紐など様々な分野の技術を駆使して製作されていました。 |